NOKOさん、里沙には恋人と呼べる彼がいたのですね。なるほど。
では、今回は健吾と里沙の出会いを書いてみますね。
いつものように、8時前には目黒の山手通り沿いにあるスタジオに、
僕は入った。
メインのスタッフは、8時半入りなのだが、僕はいつも30分前には、
現場に入る。
演出コンテを見直し、その日の演出プランを再確認するためだ。
演出コンテというのは、家を作る時の設計図みたいなもので、
細かいカット割りや、時にはカメラアングルまで書いてある。
この演出コンテを作るのも、監督の大きな仕事のひとつだ。
ここで確認すると、僕は撮影中にコンテをほとんど見ることなく、
撮影を進行する。
撮影が始まるまでは、最善の努力をして最後まで粘るが、
撮影が始まれば、迷わないで撮影を続けていこうとする、
僕のスタイルなのである。
いつものスタッフは、その僕のスタイルをよく知っているので、
声をかけるものはいない。皆もくもくと、それぞれの準備をしている。
『コーヒー、あったっけ。』
僕のこの言葉は、確認がすんだよ、という合図のようなものだった。
『監督、おはようございます。』
カメラマンの梅山さんがやってきた。
梅山さんは僕より5歳年上だ。もう10年以上コンビを組んでいる。
『あっ!おはようございます。梅さん、タバコやめたんですって!?』
『まだ5日目だけど。監督、よく知ってるね。』
『撮影チーフの西ちゃんが言ってましたよ、さっき。』
・・・そんなたわいのない会話は、撮影の前にはとてもお似合いだ。
そこへ、ヘアーメイクの山城里沙がやってきた。
今回、プロデューサーの推薦で僕の組に加わった新人だ。
『監督、打ち合わせの時、ナチュラルメイクにっておっしゃいましたが、
少しあつくしてもいいですか!?』
『・・・・・』
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大変愉しい企画に参加しておりますが、内容に???を感じましたら、管理人様のご判断で削除、修正をしてくださって構いませんので、よろしくお願い致します。
実際の撮影の雰囲気もわからないので、業界の想像です・・・(^^;
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ぼくは一瞬とまどった…
アングルイメージでは、アップ撮りも決めていた、なのにアツメのメーク?
しかしあまりに爽やかに言う里沙の口調は新鮮だった。
本来争いごとを好まない僕としては、「どんなイメージ?ちょっと試して見せて・・・」と
懐の深さある対応を示した。それに里沙はよく見ると可愛がっている姪っ子にどことなく似ている。
「監督、お待たせしました!女性の凛とした強さをイメージしています。」
里沙のその言い方が、凛とした心に秘めた自信を感じさせた。コーヒーを飲む手を止めて
「ちょっと覗いてみて・・・」と演出コンテを確認している梅さんに声をかけた。
「了解!涼っライトよろしく。」
なるほど、照明を当ててみるとこの程度のアツメのメークも悪くないな・・・と僕は感じていた。それに撮影前に描いた以外の動き、カット割のイメージが膨らんできた。
梅さんを横目で見ると、ニヤっと笑い気持ちは同じだとわかった。しかし次の瞬間
「ねぇ今日の化粧濃くない?ヘアーメイクの担当変わったみたいだけど、 私はナチュラルなイメージで撮られたいのに・・・」
と女優の声がスタジオに響いた、撮影チーフの西ちゃんが慌てて駆け寄った。
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結局、今回はナチュナルメイクで撮影が進んだ。撮影中は、慌しく自分の仕事をしていた里沙だったが、すべての片付けが終わりメイクBOXを閉めた後、深いため息をついていた。
日をまたがずに撮影が終ったので、里沙の歓迎を込めて行ける人だけで、飲みに行くことにした。
僕はなぜか里沙の笑顔がまた見たかった。
投稿者 メアリー : 2008年10月05日 22:39