メアリーさん、面白いです。照明の技師さんは、涼という名前なんですね。
それに、撮影現場の雰囲気も、かなりリアリティがあります。
こんな女優さんも、いそうですよね、
って言うか、いますよ。
・・・・
僕たちが向かったのは、目黒の権の助坂にほど近い、寿司屋だった。
ここは寿司屋と言っても、居酒屋メニューも置いてあるような、
気軽な店だ。
ビールで乾杯した後、まず僕は里沙に聞かなければならないことがあった。
『今日は慣れないスタッフとの現場で緊張しなかった!?』
『ハイ、緊張と言うより、ちょっと悔しかったですけど・・。』
彼女はタレントの言いなりになって、メイクを
変更さされたのを、言っているのだ。
『しかし、最初どうして少し厚めのメイクしたの!?』
僕は自分の思ってることと、彼女が考えたことが、
同じだったらいいと思いながら聞いてみた。
『すみません。監督からナチュラルで、というご注文だったので・・。
彼女の場合、少し顔のえらが気になるので、
シャドウを入れたかったのです。
そのために少し厚めにした方がナチュラルに見えると思って・・』
正解だ。僕と同じことを考えていた。
梅さんも同じことを考えていたみたいで、
『監督、いいヘアーメイクが見つかりましたね。』
と、僕の耳元で呟いた。
・・・
あれから五年。里沙は、僕の組のヘアーメイクとして、
僕と僕の組を支えてくれた。
コマーシャルの撮影チームは、映画のチームと同じように、
監督の名前をつけて『〓〓組』と呼ばれることが
普通なのだ。
・・・。
さてさて、こんなカタチで里沙との出会いを描いてみました。
世間では、株の大暴落と円高で大騒ぎです。
こんな時こそ慌てないで、じっくり足元を見つめ直すいい機会だと、
思います。
さて、この後健吾と里沙の関係はどうなっていくのでしょうか・・・。
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